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内部統制:整備・運用

    上場準備において、内部統制をいつまで整備してどれくらいの運用期間が必要かという明確なものはありませんが、一般的に言われているのが、内部統制をN-2期中に整備して、N-1期は運用というスケジュールで、このスケジュールで上場準備を進めれば問題ないかと思います。

    N-1期は運用期間なので、基本的にシステムの選定等々もN-2期中に行い、N-1期以降のシステム変更はしないほうがいいのではないかと思っています。もちろんN-1期以降のシステム変更ができないというわけではありませんが、もし会計に関する部分であれば事前に監査法人と調整が必要かと思います。場合によっては、監査手続きが大幅に増える可能性もあり、監査報酬の追加を請求されるケースも出てくるのではと思います。N-1に突入してしまったら、ちょっとぐらい不効率でも、上場までそのままのフローで行くという選択肢もあるかと思います。

    内部統制をどこまでの範囲で整備・運用が必要かという議論もありますが、これはあくまで個人的な意見になりますが以下のイメージです。

    領域整備運用
    全社的な内部統制N-1N
    決算・財務報告プロセスN-1N
    業務プロセス(業務フロー・業務記述書)N-2N-1
    業務プロセス(RCM)N-1N-1
    IT統制N-1N

    業務プロセスの特に売上関連、原価・仕入関連は、可能であればN-3の終わりかN-2期の1Q程度に作成して、N-2期は内部統制に依拠して監査できるようにすると、発行会社も監査法人も負担が少し減ると思います。RCMはそこまで急いで作成する必要はないと思います。もちろん早く作成できれば良いですが、優先度は低いと思います。内部体制の整備・強化という観点では、早く整備した方が良いかもしれませんが、上場準備という観点で言うと、全社的な内部統制、決算・財務報告プロセス、IT統制の整備も優先度は低いと思います。

    業務フローの作成において、当然ですが職務権限表やその他の規程と整合している必要があります。また上場申請書類において、記載方法に制約があるわけではありませんが、業務フローを添付または業務フローを修正して提出することになるかと思います。

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