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規程・マニュアル:整備・運用

    上場準備において、規程・マニュアルは、N-2期中に整備することが望ましいと思います。だたし、これも優先順位があり、例えば、適時開示関連の規程・マニュアルは証券審査前まで制定していればよい規程等々もあります。審査は書面審査のため、とても重要な項目で、実務と規程・マニュアルの内容は合わせておく必要があります。IPO上必要な業務があり、それを行っていないのであれば、当たり前ですが業務を改善し、改善した内容で規程・マニュアルを整備・運用していかなければなりません。

    規程の中で、特に職務権限表が重要だと思います。各規程に承認や決裁が記載されていたら、職務権限表にも反映されているというのが理想ではないかと思っています。職務権限表に決裁基準が記載されているけど、他の規程には記載されていないというのも無くしおいたほうがよいかと思います。

    作成した規程については、必ず複数の目でチェックされたほうがよいかと思います。例えば、「〇〇を作成する」とあった場合、その資料が本当にあるかどうかの確認をしていきます。出席した取締役全員の記名・押印が必要とあったら本当にその通りになっているか確認していく必要があります。特に株主総会の議事録の作成方法が、定款の記載内容と異なることが多い気がします。そもそも、出席取締役の記名・押印が必要でないので、定款を修正しておくほうが良いかと思います。

    他社の規程を利用して、自社の規程を作成していくことが多いのではないかと思いますが、組織名や資料名が異なっていたり、「〇〇を作成する」とあるにも関わらず作成していなかったり、記載内容と実務が異なっているというケースがあります。審査は書面審査がベースとなるため、規程・マニュアルに記載されていることは実務と合わせておく必要があります。審査上、規程の重要性にも違いがあり予算管理規程、販売管理規程、購買管理規程等々、会社の根幹に関わる部分の重要性は高いのではないかと思います。

    また、外部にチェックしてもらうのも有効で、以下の方々にチェックしてもらうのがよいのではないかと思います。

    定款:利用している司法書士、名簿管理人(信託銀行)

    規程:主幹事証券、会計関連は監査法人、労務関連は顧問社労士

    マニュアル:主幹事証券、会計関連は監査法人、労務関連は顧問社労士

    株主総会の議事録の作成に出席取締役の記名押印が必要かどうかについて、主幹事証券の方が知らないことが多いのではないかと思いますし、就業規則等々も主幹事証券の方は細かいところまではわからない可能性が高いので、外部の使い分けが必要です。

    審査に入る段階で、規程・マニュアルが整備され、しっかり運用されていれば審査も問題なく進むかと思いますが、記載の内容が足りなかったり、記載通り行っていなかったり問題が発生することもあるかと思います。上場時期が延期となったり等々いいことは何もないので、規程・マニュアルの整備・運用は重要な要素の一つだと思います。

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